モリブデン(Mo)やタングステン(W)タンタル(Ta)などの高融点金属は真空中ではヒーターや構造材として頻繁に使用されます。右の写真のような真空蒸着に使われるボートやフィラメントの需要が盛んでした。
蒸着用の場合、蒸着材料により高融点金属の適否がありますのでご注意ください(参照:参考資料)。平底型やV底型などのほか、特殊なタイプも製作しています。詳しくはカタログをご請求下さい。
これらの高融点金属は鋼やステンレスなどに比べると、かなり硬く脆い金属であるため機械加工には専門技術が必要です。
3.高融点金属材料・加工品
材料 | 比重 | 融点(℃) | 蒸気圧1Paの温度(℃) | 電気抵抗 μΩcm(室温) |
抵抗温度係数 | 線膨張係数 (/K) |
W | 19.3 | 3410 | 3229 | 5.5 | 4.5x10-3 | 4.45x10-6 |
Mo | 10.22 | 2610 | 2524 | 5.78 | 4.6x10-3 | 5.44x10-6 |
Ta | 16.6 | 2996 | 3056 | 13.6 | 3.82x10-3 | 6.6x10-6 |
蒸着用ボート(W,Mo)
この Web サイトに関するご質問などについては、直接 [会社のE-Mail] までご連絡ください。
モリブデンは高融点金属の中では比較的製造も加工もしやすい材料です。線材・板材の種類も豊富です。また、右の写真の「グリッド電極」のように細かい穴開け・折り曲げ加工や、右下写真のハースライナーのような絞り加工も可能です。高融点金属の中では比較的に安価です。
常温・大気中でも酸化しますので保管にはご注意ください。
モリブデン
タングステン
タングステンは非常に硬く、機械加工が難しい材料です。材料は割れたり折れたりし易いため精密な加工には放電加工などの方法も必要です。タングステンは放射熱が大きく、高温での蒸気圧も低いため、下の写真のようなヒーターやフィラメントなどの熱源や熱電子源の用途に多く用いられます。
タンタル
タンタルは柔らかく加工し易く材料の種類も豊富で、耐食性にも優れていますが、非常に高価です.材料として、コンデンサーや電子素子や光学薄膜などへの需要が高まっています。
真空用途では、加工性の良さから右下写真のチムニーヒーターのように、難加工なリフレクターやヒーターとしてよく使用されます。